クラゲ襲来

youmatsu2003-02-11

研究室の先輩が京都に遊びに来ていたのでご飯を食べた。
その先輩は関西電力に勤めていて小浜の原発で働いている。先輩に原発の話を聞くのはいつも楽しい。一般人では立ち入ることの出来ない原子力発電所のことを知ることが出来るからだ。私たちが毎日使っている電気、こうしてパソコンに向かっているときもその先輩の作った電気を使っているわけだ。
まず、原発にとっての意外な脅威とは何だと思いますか?それは北朝鮮のテロでも原子炉のメルトダウンでもなくなんとクラゲなのだ。原子力発電所の職員は日々クラゲと戦いながら私たちに電力を供給しているのである。クラゲ襲来の警報がなると原発の職員は「ちっ、あのクソ虫どもまた来やがったか。ミンチにしてやるぜ!」などと手に手に武器を持ち海へと向かう。
武器は嘘だが、警報までは本当。
原発は海水を吸い上げて原子力で沸騰させ、噴出す蒸気の力でタービンを回して発電しているわけだが、海水の取り入れ口に大量のクラゲが詰まるのだそうだ。もちろん、防護ネットのようなものをかぶせて対策はしているのだが、効果はいまいち。クラゲ処理プラントのようなものを作り、吸い込んだクラゲを蒸気を当てて水分を飛ばしてから粉砕処理しているそうだが、クラゲの大群が押し寄せたときにはプラントがオーバーフロウして止まってしまうのだ。処理したクラゲは大量の生ゴミとして何処かに棄てられている。別に核廃棄物ではないけど。。このように、私たちの生活とクラゲは意外なところでつながっている。
あと、先輩の話を聞いて私が受けた印象では原子力発電所というのはすべてコンピューターで管理され、自動化が進んだ超科学的施設ではなく、難しい顔をした炭焼き名人が火の色を見ながら薪をくべたり、火を掻き回したりする炭焼き小屋と大して変わらない。