寝覚の床

日曜は遠くまでドライブに行った。伊那市まで行って木曽福島に抜け、中津川をへて帰ってきた。総走行距離400キロ超。
木曽福島から中津川に至る国道19号線は中仙道の跡であり、木曽路といわれて多くの宿場が残っている。遅くなってしまって有名な馬籠宿にはいけなかったが、途中の寝覚の床と言われる所がとても印象に残った。19号から50メートルくらい下に流れる川まで降りると大きな岩場に出る。岩場といってもゴツゴツしているわけではなく、平らで上で昼寝でもできそうな大きな岩場だ。松尾芭蕉正岡子規もこの地を訪れているらしい。
この地の名前の由来はなんと浦島太郎伝説にある。浦島太郎は竜宮城から帰ってきた後、村には誰一人として自分を知るものが無く、悲しみに打ちひしがれて中津川辺りの山奥の村で住んでいたそうだ。長い、山暮らしの中でふと玉手箱のことを思い出し、この岩場で玉手箱を開けて300歳のおじいさんになったらしい。夢から覚めたということで寝覚ノ床という。その後はその村からも姿を消したらしい。浦島太郎の舞台は京都の天橋立といわれているが、こんな所にも伝説があったとは。
伝説はなんにせよ、きれいな川の流れと川に浸食された自然の造形をみながら、涼しい秋の風に吹かれて気持ちよかったのだ。