イチロー

久しぶりに日記を書きます。
先日NHKの単独インタビューにイチローが答えていました。僕はインタビューが好きです。偉い人や有名人は必ずインタビューを受け、その受け答えは感激させられるものがたくさんあります。自分が今の生活や仕事のことを聞かれたとして何が答えられるでしょうか?
仮に私が自分についてインタビューを受けたとして答えてみましょう。
インタビュアー:「youmatsuさん、あなたは福祉用具の設計をされているようですが、どうしてその仕事を選ばれたのですか?」
youmatsu:「えー、まあ、これから高齢化社会ですし、需要がたくさんあると思いますねん。自分は物を作るのが好きですから、自分が作ったもんで利用者に喜んでもらえるものが作りたいんですよね。福祉用具はわりと構造簡単そうやし、自分が設計してもすぐに活躍の場があると思ったんですよ。困っている人の助けになるもんですから、喜んでもらえそうでしょ。」
イ:「話は変わりますが、youmatsuさんは自転車がお好きらしいですよね。自転車の魅力とは何ですか?」
y:「学生時代からやってたし、一人で練習してるときの何にも考えない時間が好きなんですよ。結構景色とか見ますね。社会人になって走るのは週に1回ですし、1ヶ月くらいあくこともざらですねん。そしたら季節ちゅうのか、ちょっとずつ変わりまっしゃろ。なんかあれ見てるとほっとしますねん。あと、レースも時々出ますが途中まで上手くいっても最後が駄目ですねん。なんか最後の苦しいときになると力が出んようになってしもて、ああ、わしゴールスプリント苦手やしな。とか弱気になってなかなかレースに勝つこと出来ませんねん。」
あああああーなんてつまらないんだー。何にも面白くない。なんて平凡でありきたり過ぎる生き方をしているんだろう。気分がめいりますね。
まだまだ人としてぜんぜんの私に対してイチローはなんとすばらしいことか!
以下、私の記憶の範囲でイチローのインタビューをお伝えしましょう。
イ:「2000本安打を達成しましたがそれについてどう思われますか?」
イチロー「2000本は日本でもそれほど達成した人の数はそう多くありませんし、ようやく自分もいっぱしになれたかなと思います。2000はそういう通過点の数字です。どんなことでもそうだと思いますが、私の世界も人を納得させるためには数字が大切なんですよね。自分の中でどれだけ頑張ったかももちろん大切ですが、人を納得させるにはやはり数字が無ければなりません。そういう意味で2000本は意味があります。ただ、私が感じるのは2000にたどり着くためにはそれよりも遥かに沢山の凡打を積み重ねてきたということです。2000よりも遥かに多い数え切れない悔しい思いの中で何を感じてきたか、そちらのほうが私にとっては大切なんです。」
イ:「メジャーに来られて4年たちますが、一年目に最もすばらしい記録を残しましたが、現在と比べられることもあると思いますが、それをどうおもいますか?」
イチロー:「それは日本で1軍に上がって1年目とよく重なります。あの年私は210本のヒットを打ち、メジャー一年目同様記録を残しました。しかし、双方とも自分の力では無い何か神がかり的なもっと大きな力に後押しされて出た数字だと思うんですよ。自分でも良く分かりませんでした。でも今は違います。メジャー4年目の今は自分の力で、ごく普通の自分の力で出している結果だと自信を持って言えます。だから、今のほうがずっと納得行くプレーが出来ています。」
イ:「イチロー選手がこれから目指すプレイヤーの姿とはどのようなものですか?」
イチロー:「観客に考えてもらえるようなプレーのできる選手になりたいですね。それはどういう意味かというと、自分のプレーのすべての動きには意味がある。何らかの意図があってそういう風に動いたのだと見ている皆さんに考えてもらえるプレイヤーです。たとえばなんでもないようなエラーをしたとしても、イチローはどうしてそんなエラーをしたのか?もしかしたら、何を狙った結果だったのではないか?自分は自分のすべての動きを意識していますし、そういう意識を観客の皆さんに感じてもらえるようなプレーをしていきたいです。」
さすがイチロー。インタビュアーの質問は決してわかり易いものではなく、抽象的で割と意地悪なものだと思う。それに対して自分の考えをきっちりと答えることのできるイチローはほんとにすごい。常に考えて、向上心をもって世界一の舞台で戦っている選手だ。
イチローもそうだが、感激させられるインタビューとはその人がその人の考えを強くもって、自信をもって仕事なり何なりと向き合っている姿勢だ。その人だけにしか考えつかないような高い意識は常に人の感銘を呼び、聞き手の心を豊かにする。
うん。偉い人たちは偉い。自分も小さいなりにも自分の考えをもって生きていかなくては。